最重要問題が「お話の記憶」

「お話の記憶」って何ですか?

小学校の入試では大きく分けて、筆記テスト(ペーパーテスト)、指示行動(絵画・制作・運動)、面接(親子面接)の3つの場面があります。その中の筆記テストを大きく分けると、お話の記憶、図形、分類、数量、言語、推理、常識の7つに分けることができます。7つのジャンルがありますが、全ジャンルの中から満遍なく出題されるわけではありません。しかし、お話の記憶は、殆どの小学校で出題されます。教室のスピーカーから流れる音声(お話と設問)を聞き、プリントに答を書きます。

出題例(原稿用紙約3枚)

日曜日の朝のことです。ゆみちゃんのお母さんが「ゆみちゃん、早く起きなさい、今日はとてもよいお天気よ」と言いました。お母さんがカーテンを開けると雲が2つ浮かんだ爽やかな朝でした。今日はお父さんとお母さんと、動物園に行く日です。ゆみちゃんは自分のリュックにお気に入りのパンダのぬいぐるみと、お母さんが作ってくれたお弁当とお茶の入った水筒を入れました。お母さんが作ったお弁当は、ご飯の上に卵とノリを使って、うさぎちゃんの顔が描いてあります。ゆみちゃんは、このうさぎちゃん弁当が大好きです。お父さんがゆみちゃんに「今日のお弁当は何かな?」と言いました。ゆみちゃんは「私が1番好きなお弁当だよ」と言いました。お父さんは「ゆみの好きなハンバーグ弁当だな」と言いました。「ハンバーグも好きだけれど、それは2番目に好きなもの」と言いました。お父さんは「分かったぞ、唐揚げ弁当だね」と言いました。ゆみちゃんは「唐揚げ弁当は3番目に好きだよ」と言いました。お父さんとお母さんとゆみちゃんはバスに乗りました。次に電車に乗り換えました。動物園はサクランボ駅から歩いてすぐのところにあります。動物園に入ったところにキリンがいました。キリンの背が高かったので、見上げていたゆみちゃんの首が痛くなりました。次にゾウを見に行きました。ゾウは「パオーン」となくと思っていたけれど、よく聞いたら「ギャオーン」と鳴いていました。次にコアラを見に行きました。コアラは4匹いましたが、3匹は後ろを向いていました。ゆみちゃんは、みんながこっちを向くまで待っていましたが、動きませんでした。次に遠いところにいるライオンを見に行こうと思ったけれど、疲れたので途中でソフトクリームを買って食べました。ライオンはやめてゴリラを探すことにしました。どこにいるのか分からなかったので、お父さんがソフトクリームのお店の人に聞きました。お店の人は「このまま歩いて行くとトラがいるので、そこを右に曲がってください。そして、クマがいるところを左に行くと会えますよ」と教えてくれました。歩いて行くと、お父さんトラとお母さんトラと子どものトラが3頭いました。クマがいるところに着いたけれど、家の中に隠れてしまって一頭もいません。ゆみちゃんはがっかりしました。ゴリラのところに着きました。ゴリラは自分のおっぱいのところをポコポコと両手で叩いていました。近くにいた動物園のお姉さんが「よく見てごらん。あれはね、ドラミングと言って両手で自分の胸を叩いているの。どうして叩くのか分かりますか?」と言いました。ゆみちゃんは「怒っているのかな」と言いました。お姉さんは「怒っているのではなくて、遊んで欲しい、構って欲しいときに胸を叩くのよ」と教えてくれました。よく見たら、手はグーではなくて、パーで叩いていました。

(注)コアラは厳密には匹ではなく頭と数えます

設問例

1.お話の天気に合う絵を1つ選んで丸を付けてください

A=雲なし B=雲1つ C=雲2つ D=雲3つ

2.ゆみちゃんが2番目に好きなお弁当の絵を1つ選んで丸を付けてください

A=うさぎちゃん弁当 B=唐揚げ弁当 C=サンドイッチ弁当 D=ハンバーグ弁当

3.駅の名前に合う絵を1つ選んで丸を付けてください

A=イチゴ B=リンゴ C=サクランボ D=バナナ

4.一番初めに見たどうぶつの絵を1つ選んで丸を付けてください

A=サル B=ライオン C=トラ =キリン

5.家の中に隠れてしまったどうぶつの絵を1つ選んで丸を付けてください

A=コアラ B=クマ C=ライオン D=トラ

筆記の最初の問題が「お話の記憶」です

国立小、私立小問わず、全体の9割以上の小学校で出題されます。

そして、筆記テストの大問1問目が「お話の記憶」です。

配点は10点(短文問題)から30点(長文問題)の学校もあります。

競争倍率の少ない学校では、漢字含む200文字(原稿用紙半分)くらいのお話を音源で聞かされます。

中堅校で400文字から600文字(原稿用紙1枚から1枚半)、難関校では原稿用紙3枚(1200文字)が多いです。

これを1回で覚えて、数々の設問に答えなければなりません。

難関校のお話の記憶は難しいので、本番の入試では解けなくてシクシク泣くお子さんもいます。

1問目で泣くと、その後はボロボロになります。

「ガンバレ!ガンバレ!○○ちゃん!ファイト!」

待合室にいるときから両親に励まされているので、そのプレッシャーはとても大きいのです。

入試の最初が筆記テストで、そのまた最初の1問目が「お話の記憶」です。

本人も模試ではなく、入試の本番だと理解しているので、「解けない」「お母さんに怒られる」「期待を裏切った」と、うつむいて泣いたまま全ての筆記の終了を迎えるお子さんもいるそうです。

なぜ、お話の記憶問題を出すと思いますか?

これが解けるお子さんは賢いからです。

他の筆記問題は問題集を何周もすれば、解き方が身に付きますので、やがて解くことができます。

しかし、お話の記憶問題は何十問、何百問を解いたところで、記憶力が向上するものではありません。

人の話しを1回だけ聞いてパーフェクトに理解できるお子さんは、生まれながらに優秀です。

小学校の授業も、先生のお話しを良く覚えてくれて、理解もしてくれるので進行が楽です。

たくさんの指示を出しても忘れないので、宿題もしっかり覚えていて忘れませんし、指示された持ち物も忘れません。

逆に、お話の記憶が苦手なお子さんを入学させると、授業を覚えてくれない、宿題や持ち物の指示を忘れるなど、手が掛かることが多々あります。

難関校ほど「お話の記憶」が長文になったのはこのためです。

お話の記憶が得意なお子さんは地頭が良いので、将来的には偏差値70を越える可能性があります。

小学校側も「お話の記憶」の重要性を理解しているので、筆記の他のジャンルが満点でもお話の記憶問題を落とすと、記憶力が悪いと判断されて、受け入れないことがあります。

お話の記憶を克服することは非常に難しいです。

エスポワールは、全員の「お話の記憶」の能力を向上させることはできませんが、ある一定レベル以上のお子さんなら、その能力を向上させることができると思っています。また、その対策講座を用意しています。