行動観察って何?

入試当日の行動観察は、ペーパーを遥かに超えるくらいに重要です。

それでは、試験官はいったい何を見ているのでしょうか?

試験官が採点表を持って観察しているのは、目の前にいる『お子様』です。

入学試験では、試験官は注意深くお子様の様子をチェックをしています。

 

行動観察の一種に「集団テスト」(グループ考査)がありますのでご紹介します。

●グループで相談しながら自由に積み木遊びをする

●グループで相談しながら紙コップを積み重ねる

●ジャンケン列車で遊ぶ。ドンジャンケンで遊ぶ

●猛獣狩りゲームをする

●グループで相談しながら自由制作をする

●グループでリレーをする

※この他にも集団テストには数多くの種類があります

実際の入試では、どのような光景が見られるのかをお教えします。

 

<ここからは実際の入試の場面です>

まず、10名のグループが呼ばれます。

試験官から…

「みんなで話し合って、ここにある紙コップを高く高く積んでください」と指示があります。

さて、これから何が起こると思いますか?

(1)まず最初に、元気の良い3人の子どもたちが、ワーッと駆け寄って、それぞれが構わずに積み始めます。

(2)その次に続いた4名の子どもたちは、取り敢えず、それぞれが1個のコップを手に持って、元気なその子たちの様子を眺めています。

(3)一番最後に残った3名の子どもたちは、遠巻きに眺めているだけです。

(4)そのうちに、コップを手にしていた子どもの一人が声を上げます。

 「先生は、みんなで話し合って高く作ろうと言ってたよ」

(5)勝手に積み上げていた元気な子どもたちの手が止まります。

(6)次にある子どもが声を上げます。

 「見て見て、こんな感じにコップを逆さまにして積むと高くなると思うから、みんなでこれを作ろうよ」

(7)遠巻きに見ている3人はそのままで、残りの7名は作り始めました。

(8)バラバラに作ったので適当な形で積み上がりました・・・

(9)そこで、ある子どもが声を上げました。

 「これじゃダメだよ。みんなで下からちゃんと作った方がいいよ」

(10)次に別の子どもが、立っている3人に声を掛けました。

 「ねぇねぇ、ここへ来て一緒に作ろうよ」

 3人が加わって、全員でコップを積み重ね始めました。

 

試験官はこの一連の様子を見て、どのお子さんに入学して欲しいと思うでしょうか?

また、どのお子さんには入学して欲しくないと思うでしょうか?

誰に◎を付けて、誰に○や△や×を付けると思いますか?

これが小学校受験の「行動観察」なのです。

エスポワールの門を叩いた親を除けば、世間の殆どの親は行動観察の怖さに気付いてはいません。

仮に入試をガラス張りにして見学できたとしたら、親は我が子の様子を見て、今までの受験準備は何だったんだろうと、膝から崩れ落ちることでしょう。

うちの子はやんちゃなので、お友達のことを考えず積み上げるタイプだから心配ですか?

うちの子はきっと遠巻きにボーッと眺めているだけだから心配ですか?

うちの子は他の子の様子を伺ってから、ワンテンポ遅れて行動するタイプだから心配ですか?

 

主な有名小学校の集団テストを紹介します。

<国立小>

●東京学芸大学附属世田谷小学校

 → 3名で相談しながら積み木積み

●東京学芸大学附属竹早小学校

 → 3名で相談しながら大きいサイズ順のカード並べ

●横浜国立大学附属横浜小学校

 → 5名で相談しながらパズル完成

<私立小>

●青山学院初等部

 → 小グループで相談しながら共同制作

●学習院初等科

 → 5名で相談しながら玉転がし

●暁星小学校

 → 5名で相談しながら円柱積み

●国立学園小学校

 → 5名で相談しながら積み木積み

●慶應義塾幼稚舎

 → 2~4名で協力して鬼退治

●光塩女子学院初等科

 → 5名でリーダーを決めてオモチャ遊び

●日本女子大学附属豊明小学校

 → 5名で相談しながら積み木遊び

●早稲田実業学校初等部

 → 5名で相談しながら遊び方法を考える

●横浜雙葉小学校

 → 5名で相談しながら共同制作

●開智小学校

 → 10名で共同制作

●さとえ学園小学校

 → 6名で相談しながら遊びの方法を考える

※全ての学校に行動観察はありますが、他の小学校は割愛します

 

「紙コップ積み」の様子は、小学校側の気持ちになって空想で書いたものではありません。 実は、エスポワールの授業での一コマなのです。

首都圏にある主要な小学校の行動観察はエスポワールで教えていますので、紙コップ積みゲームでの子供たちの様子も、毎年のように繰り返し、目の前で繰り広げられているワンシーンに過ぎません。

8倍の競争率なら、たったの1名だけが合格して、残りの7名が不合格になるという、もの凄く狭き門なのです。

大挙して押し寄せる受験者の中から、パッパッパッと手際よく「合格者」を選別しなければなりません。

「本当は、この子は良い子かも」

「じっくりと話せば、素晴らしい子かも」

残念ながら、このように見てはくれません。

機械的な流れ作業で各チェック項目に◎○△×と判定されるのです。

皆で話し合うという指示を聞かずに・・・

紙コップに突進して勝手に積んだ子どもは×でしょう。

リーダーシップを発揮して皆をまとめた子どもは◎でしょう。

遠巻きに眺めているだけの子どもは×でしょう。

遠巻きの子供を仲間に引き入れた子どもは◎でしょう。

リーダーの意見に追随しながらも作業に参加した子どもは○でしょう。

入試は複合的な要因で合格者が決まります。バックグラウンド、ペーパー、指示行動、 面接、校風、それらを抜きにしたお話しとして・・・

8名に1名が合格するような高い競争率の学校では、◎の子どもたちの中から 合格者が出る可能性が極めて高いです。

4名に1名が合格するような競争率の学校では、○の子どもたちも合格する可能性があります。

2名に1名が合格するような競争率の学校では、△や×の子どもたちも合格する可能性はあります。

同じペーパー教室に通っていると、成績が上位の子どもが不合格で、その子よりも成績が下の子どもが合格することがありますが、それは珍しいことではありません。縁故の有無もありますが、行動観察の差が原因の可能性もあるのです。

どんなに頭が良くても、行動観察で×を付けられたら致命傷です。
心当たりのある方はいらっしゃいますか?

 

お話を続けます。

今度は分かりやすくするために、紙コップではなく、「積み木積みゲーム」とします。

積み木積みゲームが終わって、試験官から…

「さあ、これで終わりです。そこに箱があるので、お片付けをしてください」 との指示があります。

入試に『お片付け』は付きものですね。

さて、試験官の目にはどのような光景が飛び込んで来ると思いますか?

<Aグループの様子>

(1)真っ先に勢いのある子どもが、積み木をわしづかみにして箱の中に放り込みます

(2)その子につられて、次の子どもも、そのまた次の子どもも積み木を放り込みます

<Bグループの様子>

(1)真っ先に勢いのある子どもが、積み木をわしづかみにして、箱の中に放り込みます

(2)後から積み木を運んできた子どもが無造作に放り込まれた積み木を綺麗に揃え直しています

<Cグループの様子>

(1)1番目の子どもが積み木を揃えて片付けています

(2)それを見た次の子どもも、そのまた次の子どもも同様に揃えて片付けます

<Dグループの様子>

(1)1番目の子どもから順番に積み木を揃えて片付けています

(2)後から積み木を運んできた子どもが無造作に放り込みます

お片付けの様子は以上です。

これが行動観察なのです。さて、皆さんはどのように感じましたか?

合格発表のときに連番で番号が抜けているときは、つられて無作法をマネしたグループの可能性もあります。

 

 

試験官の観察は、この他にもたくさんあります。

工作をしているときもしっかりと採点しています。

◆壺糊の蓋を開けたら、工作中はずーっと開けっ放し…

◆切りくずをいくつも落としてもそのまま…

◆クレヨンを使ったら、使った本数だけ机の上に転がしっぱなし…

◆ハサミは口を開いたまま出しっぱなし…

◆工作中に話しかけても完全無視…

◆お隣さんをマネして全く同じ物を制作…

◆左利き用のハサミがなくてモジモジ…

◆「手はお膝の上」の指示に従わず、机の上の物を触りまくる…

◆手順の説明の際に試験官に注目せず、教室をキョロキョロ…

ご家庭や幼稚園(保育園)での躾具合が、この様子で判ってしまうのです。 受験生が校風にマッチしていなければ、筆記テストの成績にも関わらず最悪の評価となるでしょう。

 

 

工作で余った物をゴミ箱へ捨てるときの様子も見られています。

ゴミ箱の口の近くから優しく落とすのか、それとも少し離れたところからポイッと放り込むのか。

借りた物(用具など)を試験官に返却するときの様子もです。

ハサミを返すときに、刃先を相手に向けて返すと失格です。

物を片手で返す子どもが大半ですが、両手で返すことができる子どももいます。

「無言」の子どもも…
「ありがとう」の子どもも…
「ありがとうございました」と言える子どももいます。

エスポワールでは、ちゃんとできるまで何度でもやり直しです。

「やり直しです」
「もう一度やり直し」
「ダメです。もう一回です」
「最初からやり直してください」

と言われ続けるのです。

幼児の躾はコトバで注意をしただけで済ませても、絶対に良くはなりません。

もちろん、叱る必要も、怒る必要もありません。最初は誰でもマナーを知らないのですから。

幼児の躾は「正しい行動」を繰り返すことによって身に付きます

 

貴方のお子様は「行動観察」の対策をとらずに入試に臨みますか?

 

 

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