<016> 幼児教室の「推薦状」と、補欠時の「熱意の手紙」には効力はないよ

今日は学校関係者とお話をする機会がありました。経緯を書くと長くなるので省きますが、要はこの秋の受験が心配なので、幼児教室(業界)の現況を知りたいとのことです。今秋の受験は、景気が悪くなってから初めてなので、どの程度の影響が出てくるのか、事前にリサーチをしているのです。私からの情報提供と引き替えに、2つの質問をしました。

「御校に推薦状を出す幼児教室もあると思いますが、効力はあるのでしょうか?」

学校の答えは「ない」と断言してくれました。私がメルマガなどで何度も、そのような紙クズは、何の役にも立たないと書いてきましたが、この学校でも通用しませんでした。そもそも、推薦状を発行する幼児教室は、「夏期講習を取ったら推薦してあげる」とか、その程度の発行基準なのです。「この子は優れています」と推薦したって、優れているかどうかは、第三者ではなく、当事者(学校)が入試で決めるものですよね。何の役にも立たない推薦状は、職員室のクズかごへ直行です。

追加で次のような、常識的なことも訊いてみました。「世間で言う一般的な推薦状とは、それなりの社会的な地位のある方が、ご両親のご立派な経歴を紹介して、貴校に相応しいと推薦するものですが、それも意味をなさいですか?」と訊いてみたところ、「拝見してから判断します」とのことです。つまり、参考にすると言うことです。実際には、このようなことをする人は誰もいないでしょう。なぜなら、それなりの紹介者(推薦者)をお持ちの方は、願書に推薦状を添えるのではなく、遅くても夏休み前までには、紹介者のツテで校長先生や、理事長先生と面談を終えているからです。

「受験番号を書いた受験者リストを事前に送ってくる幼児教室もありますか?」と訊いたら、「いくつかのお教室さんから届きます」と教えてくれました。「参考にしますか?」というヤボな質問はしませんでした。参考になんかする訳がないからです。幼児教室もそれを承知で送っているからです。送る理由は、(学校にもよりますが)付き合いの古い幼児教室だと、合格発表の前日に「受験番号51番のサトウ君は入ってますか?(合格していますか?)」と訊かれたら、結果のみをこっそり教えているところもあるようです。東京の学校で、合否の事前連絡があれば社会問題(週刊誌沙汰)になりかねませんが、地方の私立小学校になると、地元にある幼児教室のご機嫌を損ねてしまうのを避けたがるようです。ご機嫌を損ねさせて、言われなき風評を掻き立てられると、学校の存続に関わるからです。不合格の情報を得た幼児教室は、保護者に何と説明すると思いますか?皆さんのご想像の通り、責任転嫁に使います。「ペーパーはとても良かったのですが、お子さんも緊張されていたのか、行動観察点が悪かったようです」と言うのです。学校は合否のみしか伝えていないのにです。ペーパーの責任は果たしたので、悪いのはお子さんだと言いたいのでしょう。合格者には「危なかったけれど、私が強く押したから合格できた」と言うのです。これを聞かされた親御さんは、とても力のある先生だと言い触らす効果を狙っているのです。

さて、2つ目の質問はこれです・・・

「補欠になった親御さんから、熱意をしたためたお手紙が届くこともあると思いますが、参考にされるのですか?」

学校の答えは、これもまた「ない」とのことです。補欠のリスト順に連絡を取って、入学の意志がある人が入学手続きをして、意志のない人がいたら、その次に連絡をするだけのようです。「ラブレターが届いて、迷惑に思えませんか?」と訊いたら、「そうですね、校長宛に手紙が届けば、取り敢えず、校長は何が書いてあるか読まなければなりませんからね」と言っていましたので、やはり迷惑なのでしょう。また、リスト順に電話を掛けるのは教員ではなく、この学校では事務の方のようです。補欠の仕事は、事務の方が事務的に、リスト順に粛々と電話を掛けるだけのようです。「熱意で補欠の順番が入れ替わることはありますか?」と訊いたら、笑って手を横に振りながら「あり得ません」と答えてくれました。また、他人を押しのけてまで、我が子を入れようとする図々しい奴だとも思ってはいないようです。幼児教室の先生に言われるままに書かされているということを学校側は理解をしているのです。もちろん、幼児教室の先生のアドバイスで書いている、その程度の熱意であることも、学校側は承知です。

※過去記事の再掲載です(情報は古いです)

エスポワール らくらくさん