<038> 公開模試のシングル順位者が難関小学校に合格できなかった理由は選考基準が違うからです

この「お受験」の世界では、模試でシングル(順位1ケタ)の成績を取るような極めて優秀なお子さんは、志望校になかなか合格できないというジンクスがあります。

不思議ですよね。

中学受験や高校受験、大学受験なら、子供の偏差値が高ければ、行きたい学校へ行くことができます。ところが、小学校受験では偏差値が70を超えるお子さんのうち少なくない人数が不合格になってしまうのです。

その理由を簡単に説明します。本来は「学力偏差値」で説明しなければなりませんが、解り易く通常の「偏差値」で説明しますね。例え話ですが、1000名の子供がテストを受けると偏差値が70超の子供は約20名が存在することになります。合格枠が20名なら、偏差値が70以上の子供しか入学することができません。偏差値が70あるような子供は全員が合格するのです。これは普通の入試です。

ところが、小学校受験では何度もブログやメルマガで書いている通り、成績順ではなく、一定の成績の子供の中から学校のカラーに合致する順に合格者を出します。一定の成績を偏差値60にすると、1000名の受験者がいれば、偏差値60~69が約140名、偏差値70超が20名の合計160名の中から選り好みで20名を選ぶのです。偏差値60超の8名に1名しか合格できません。

単純計算では、偏差値70超の20名がいても、その中から2名程度しか合格できないのです。成績の上からの順ではないからです。模試でシングルを取る子供の不合格は決してジンクスではなく、選考基準が違うので、そのように見えるだけです。小学校受験は一定水準の成績を取る必要がありますが、誰が合格するかは学校側が、その学校のカラーに合致する順に好き勝手に選ぶだけです。

名門と言われている私立小学校ほど、皆さんが想像する以上に「保守的」なんです。怖いくらいに。

※過去記事の再掲載です

エスポワール らくらくさん