<008> 小学校受験の応用問題が解けるお子さんと、解けないお子さんの違い

前回は、入試問題の大部分は学問ではなくて知能検査だと書きました。
その対策は、解らない問題は無理に理解させようとせずに、親が解説をしながら解いてみせるだけで良いと書きました。また、同じ問題集を繰り返すことにより、脳のシナプスは、その問題が解けるように次々と結合するので、他の問題集に浮気することなく、腰を据えて3巡すべきだと書きました。

今日はその続きを手短に書きます。前回に紹介したことは、1日に1時間程度の学習時間内でのアドバイスになります。1日にたった1時間で、お子さんの知能を具体的操作期(7~12歳頃まで)に変えるには無理があります。この方法では、全く同じ問題が出たとしたら、確実に得点にすることは出来るでしょう。同じ問題集を2巡、3巡すれば、脳の回路はその問題を解くに相応しい態勢になっているので、類似問題に対してもヒラメキ易くなります。それでは、類似問題ではなくて、ひねった応用問題ならどうでしょうか。ひねりが入ると、多くのお子さんはお手上げです。しかし、応用力を発揮して正解してしまうお子さんもいるのです。生まれながらに賢いと言ってしまえば、それまでですが、その子供たちに共通していることがあるのです。それは・・・

「あーでもない、こーでもない」と考えているのです。

他のお子さんは、知らない問題だと認識した途端に「わかんな~い」と思考は停止します。応用問題が解けるお子さんは、「あーかな、こーかな」と、頭の中の引き出しから過去にゲットした数々のツールを取り出して、それらを使って解けるかどうかを考えているのです。

違いは、考えるか、それとも考えないお子さんなのかです。

考えるお子さんは日常生活の中でも、常に考えています。その為、私も息子に対して、意識しながら考える機会を与えています。例えば・・・

「茗荷谷駅から恵比寿駅に行くには、どのような鉄道経路があるかな?」と訊いたりします。息子は鉄道が大好きなので、最短だけではなくて、遠回りまでを含めると10通りくらいは、頭の中で考えて言うことができます。「明日の天気を調べるには、どうすればよいかな?」と訊けば、「テレビのデジタル放送と新聞と携帯電話の天気予報」と答えます。「飛行機雲が出ると翌日は雨になることが多いですが、その理由は何でしょうか?」と訊いたこともあります。もちろん、幼児なので正解は出来ませんが、「あーかな、こーかな」と考えさせているのです。

息子はまだまだ幼稚ですが、雙葉小などのペーパー難関校に合格するようなお嬢様に接していて感じることは、頭が切れる子だなって。ペーパー難関校を目指すならば、自分で考える習慣を身に付けさせましょう。親に指示されるまま、言われるままのお子さんでは到底無理です。ペーパー難関校は、頭の切れるようなお子さんでも、競争率が高いので厳しい世界なのです。

※過去記事の再掲載です

エスポワール らくらくさん