<037> 小学校受験の競争倍率が年々下がっている学校が多い
小学校の受験倍率を調べてみた人は…
「えっ!この小学校はこんなに倍率が高いの!」
「えっ!ここはこんなに倍率が低いの!」
と驚くと思います。
高倍率の人気校とそれ以外の完全な二極化ですよね。
早期退職制度が残る現在は人気校の志願者も実は全体的には減少しているのです。
12倍が10倍に減った程度では、あまり目立ちませんよね。
それ以外の学校では2~3倍台だった学校が軒並みに1倍台に落ち込んだところもあります。
1倍台の数字はとても目立ちますので、学校側は非公表とすることにしました。
中学受験にシフトしたり、深刻な幼児の人口減少が志願者の落ち込みに繋がっていると思っています。
1倍台が多くなった主な原因は、受験人口の減少の影響以上に1名あたりの併願数が激減したからです。
今までは私立の6~7校に願書を出す人が目立っていましたが、最近は4~5校が多かったように感じました。
ちょっと前までは、受験を志した以上は、何が何でも子供に制服(私学)を着せないと気が済まない人たちが大勢いました。
これだけの大金を受験準備のために注ぎ込んだので、公立小へ行くということは、人生の敗北以外の何ものでもなかったようです。
ところが、ここ数年は人気校など、本当に行かせたい小学校だけを受験して、ダメな時は一切妥協せずに、公立小から中学受験を目指す人が増えつつあります。
中学受験を念頭に、ご縁があれば私立小学校からショートカット(近道)させようと思っている方々です。
景気後退の影響もあって、更にその考えに拍車が掛かったようです。
航空会社や自動車メーカー、百貨店、放送局、新聞社、銀行など、誰もが知るような上場企業に勤めていたとしても、いつリストラの対象になってしまうか不安ですよね。
会社経営者も自営業者も不況を乗り越える確信が持てないので、気持ちは同じです。
数年後に夫の職があるかどうか誰にも分からない世の中なので、気に入った私学でなければ学費を出したくないと考えています。
競争倍率が1倍台落ち込んだ私立小学校の運営者にとってはとても深刻なことです。
このまま景気低迷が続けば、これから更に志願者数が落ち込むことになり、大幅に定員割れする学校が増えてくると私は予想しています。
これは、景気の動向や夫の職場の様子を見ながら、本格的な受験準備を先延ばししているのが原因です。
さて、今秋に受験する皆さんにアドバイスをしたいことがあります。
附属中や附属高、そのまた上の大学に潤沢な資金があれば、その附属小が定員割れをおこしたとしても学校運営に与える影響は少ないので安心はできますが、小学校だけではなく、中学校や高校でも不調だと、これは大変なことです。
これから志望校を決める皆さんは、私立小の上位の中・高・大の経営状況(人気度や生徒数の推移)も調べておかないと、6年間の在学中に、もしかしたら廃校となってしまう恐れもあるからです。
決して冗談ではありませんよ。
※過去記事の再掲載です
エスポワール らくらくさん