<052> 小学校の偏差値ほど意味はなく当てにならないものはない

小学校受験や幼稚園受験に合格の可能性を探る偏差値なるものは存在しません。

何故なら、学校(幼稚園)のカラーに合致する順に、選り好みで(ご家族)を決めているので、合格基準の偏差値は出しようがないのです。

公開模試の偏差値はペーパーの成績ですので、その数字だけで合否の可能性を計ることはできません。

参考までにその上位の併設中学校の偏差値は知ることが出来ます。これも誤解があるといけないので書いておきますが、併設中学校の偏差値が65であったとしても、それは中学受験をして外部から入ってくる子供たちの偏差値であって、附属小から上がってくる子供たちとは全く関係がない数字なのです。

附属中学校での成績上位者は、日能研やサピックスなどに通って、夜遅くまで勉強をした外部入学の猛者たちで占められますので、ぬくぬくと育った附属小からの子供たちは学級ヒエラルキーの底辺に追いやられることが多々あります。

上位に有名大学がある附属中で底辺に追いやられたとしても、その大学まで進むことができますので救われます。

しかし、中学や高校までしかない学校へ入った場合は、附属小から附属中に進学した途端に、劣等感の中で高校受験をしたり、大学受験をすることもあるのです。

附属小の子供たちがお馬鹿さんであるというお話ではありません。小4~小6まで、必死に勉強をしてきた外部から入ってきた猛者たちを上回ればよいだけです。

ご縁があって附属小に入学したのなら、御三家中学を受験するような意気込みで毎日を過ごさないと大変なことになります。

また反対に併設中学校の偏差値が低い小学校もありますよね。

併設された私立中の偏差値が低いと、賢くない子供たちがその附属小へ集まるとは限りません。

過去のメルマガにも書きましたが、千葉県の松戸市に聖徳大学附属小学校があります。中学校からは女子校ですが、併設中の偏差値は40くらいです。

ところが、聖徳大学の附属小と附属中のホームページを見ると進学実績は立派です。

卒業生105名中、渋谷幕張中(偏差値72)が6名、桜蔭中(同73)が5名という数字が並んでいます。

その理由は、東京の私立小学校へ通わせたくても遠くて通えず、仕方がなく地元の私立小を選択した「優秀なお子さん」と「富裕層のお子さん」が集まった学校だからです。

地域で唯一の私立小なので、天才や秀才もいれば、そうではないお子さんもごちゃ混ぜで在籍をしています。

東京から遠ければ人気も出ませんし、当然に併設中学校の偏差値は下がるのです。

私立が数多くある東京と違って、同じ偏差値レベルの子供たちが集まっているわけではありません。地理的にそこにしか通えない子供たちが集まる学校なのです。

神奈川県にある函嶺白百合学園小学校の併設中(偏差値38)も同じ理由になります。

箱根の強羅(温泉リゾート地)にありますから近隣の人しか通えません。新宿駅を朝の5時31分に出る小田急線に乗れば登校に間に合いそうですが、片道2時間半は無茶ですよね。

函嶺白百合学園のホームページを見ると、附属高の卒業生42名中、白百合女子大へは13~18名のようです。

地方だけではなくて、東京にある私立小も附属中の偏差値はそのまま当てはまるものではありません。

外部の中学を受験するつもりで入学するのであれば、附属小学校は附属中学校とは別世界なので併設中の偏差値は関係ありません。

本当の頭の善し悪しって、脳の発育次第のお受験勉強ではなく、入学後の学校の成績によって決まりますよね。

日頃の勉強次第なのです。

学校ではみんなと仲良く遊んで、下校後にコツコツと努力をすれば、何処の小学校でも変わりはありません。

難関の私立小へ行っても、難関ではない私立小へ行っても、ご近所の公立小へ行っても、結局は小学校の6年間でどれだけ努力をしたかに因ります。

何処の小学校へ行こうとも、全てはそこがスタートラインで、そこから先の生き方次第です。

履歴書の学歴欄に小学校の卒業なんか書きませんからね。

※過去記事の再掲載です(情報は古いです)

エスポワール らくらくさん