<034> 小学校受験は「ご縁」が全てだとしか思えません
今日は小学校受験における勝因と敗因について書きます。
合格発表の直後にエスポワールへ電話してくるお母様は決まって興奮しています。(※現在はメールのみの対応です)
「センセ~、娘が幼稚舎に合格してましたぁーーー」
合格直後の電話は、興奮が電話線を伝わってきますが、発表の翌日以降に電話を掛けてくる方は・・・
「エスポワールの先生方のお陰で、何とか娘もご縁を頂くことができました」
と冷静になってくるのです。
ところで、合格者の全員に共通していることですが、合格者の親が感じている勝因は何だと思いますか?
答えは・・・
勝因はないのです。
何故なら・・・
誰もが合格したことに驚いているから。受かって欲しいとは願っていても、本当に合格できるとは思っていなかったからです。
仮に今回の結果が正反対だった場合は、敗因は山のように頭に浮かぶことでしょう。
テストで苦手な○○が出たから…。全体的に声が小さかったから…。覇気がなかった…。緊張しすぎた…。面接で返答までの時間が長かった…。親が的はずれな事を言ってしまった…。などなど。
合格すれば、勝因は思いつかず、合格しなければ、敗因は次々と浮かんでくるものです。
幼児教室に携わる人間が言うことではないのですが、小学校受験は「運」です。人はそれを「ご縁」と言います。
今年の入試では、ご縁がなく最後の発表だった幼稚舎からやっと合格を頂いた方がいました。
幼稚舎が残念で、早実に合格した人もいます。その逆もあります。
青山と白百合が残念で、学習院に合格した人もいます。
第1志望の超難関校に合格したのに、第2志望から第4志望まで軒並み残念な結果になることは、決して稀なことではなく、この小学校受験の世界ではごく普通のことです。
例えば競争率が6倍の女子校を例に挙げますと、360名が受験して60が合格します。
一生懸命に頑張って60名の枠に入ればよいと思いますよね。
でも実際は、横一列に6名を並ばせた1グループの中から、たった1名だけが選ばれる競争率なんです。
A・B・C・D・E・F
の6名の中から選ばれた、たった1名です。
何処の学校も特別な優先枠があるので、実際の合格者は・・・
A・B・C・D・E・F・G・H
の8名の中から選ばれた、たった1名かもしれません。
貴方のお子さんは、この8名の中から、選りすぐりの1名に選ばれる自信はありますか?
もの凄い競争率なのです。
受験者の多くが、ペーパーや行動観察の準備もしっかり行ってから臨みます。
その甲乙つけがたい優秀なお子さんの中から選ばれた人は、本当に運(ご縁)としか言いようがありません。
勝因なんかないのです。縁があって「選ばれた」それだけです。
息子も縁あって合格を頂きました。メルマガやブログで偉そうなことを書いているので、さぞかし自信満々で受験に臨んだと思っている人は多いと思います。
しかし、それは大間違いです。自信なんて、これっぽっちもありません。
合格を知ったときは・・・
「あれ?ホント、うっそ~」です。
不合格なら、私でさえ敗因は山ほど思い浮かんだのでしょう。
エスポワールに届く合格者の感想を読んでも、皆同じようなことが書いてあります。とにかく「驚いた」って。
競争率が高いほど、選ばれないのが普通であって、合格する方が奇跡なんです。
みんながみんな勉強をして、みんながみんなお行儀を良くして、みんながみんな経済力があって、みんな一緒に受験をしても、大多数が選ばれずに不合格です。選ばれるのはラッキーな一握りのお子さんだけです。
私はこの世界にいる人間なので、小学校受験は心底から「ご縁」だと思っているのです。その為、私が息子の受験で心掛けていたことは・・・
結果がどちらに転んだとしても・・・
「パパと一緒に勉強が出来て、本当に楽しかったよ」
と言ってもらえるように、心配りをすることです。
中・高・大学受験は実力(学力)が全てですが、小学校受験は水ものです。
やるだけのことをやったとしても、選んでくれる保証なんか全くありません。
小学校受験の準備は大変ですが、必ず終わるときが来ます。皆さんは来秋です。息子は今秋でした。
ペーパーの勉強も、行動観察も、面接の練習も、思い残すことがないくらいに練習を重ねてきました。小学校受験と言えども、受験勉強には変わりはないので、やるべき事をするのは当然ですよね。
あとは天に任せるしかないのです。結果はご縁次第ですから。
そして、息子に総括してもらいました。
「1年間、パパと一緒に勉強をしたけれど、どうだった?」
「すごく楽しかった。これで終わりでなくて、もっと続けたい」
と言ってくれました。
仮に息子にご縁がなかったとしても、息子のこの言葉は、私にとって大収穫です。
この一言を言わせるために、どんなに仕事で疲れていても、自分に活を入れ、歯を食いしばりながら、スマイル、スマイルで息子を誉め続けた甲斐がありました。
自分で自分を
「お前も良く頑張ったなぁ、偉いぞ!」
と誉めてやりたいです。
※過去記事の再掲載です
エスポワール らくらくさん