<019> 小学校受験の当日にはリーダー格の番長と裏番長が存在し、両方とも難関小学校に合格するタイプです
リーダーシップが取れないというお悩みは多いです。
8名の中から1名、10名の中からたったの1名が選ばれるような競争倍率の高い小学校では、やはりリーダー的なタイプのお子さんが選ばれています。
学級委員長タイプは入試でも目立つからです。
このメルマガでも度々、リーダーについて触れてきましたが、もう一度整理したいと思います。
リーダーには2種類のタイプが存在します。
一つ目は、生まれながらに声も態度も大きく、皆を引っ張るタイプです。
自己主張が全開のお子さんはエスポワールにもいますよ。
先生の問い掛けに、分かっていても分からなくても率先して手を挙げて答えてくれます。
「話し合い」の授業でも、グループ内の仲間一人一人に「これでいいよね!」と強引に同意を取り付けてまとめます。
一言で言えば「番長」タイプのお子さんです。
国立、私立を問わず、小学校の入試はマンツーマンではなく、男なら男の5~6名または、10~12名のグループを構成して、そのグループ単位に試験が行われます。
子供が10名も集まれば、自己主張が全開のお子さんは1名くらいはいますので、そのグループはその1名によって支配されます。
「みんなでこのようにしようよ!」
「いいねっ!」
「いいよね!」
「それでいいよね!」
このように、半ば強引に仕切るのです。
エスポワールの授業では、番長タイプではない2つ目のタイプのリーダー育成も行っています。
自己主張をしたい仲間がいれば、最後まで思う存分に言わせます。
全部を言わせた上で、自分が考えている意見と異なっていれば…
「それは違う」
とか
「それは良くない」
と切り出します。
「どーして」
と必ず言ってくるので…
その時に相手の意見に同意できない理由と、それに続けて自分の意見を言うように指導をしています。
番長タイプはこのように切り返されると、何がどのように自分の意見が間違えているのか頭の中で空回りしてしまい、何も言えなくなってしまうのです。
パニックですね。
思いつきの意見が多いので指摘されると慌てます。
番長タイプのお子さんは、切り返されると「それもいいね」と同意してしまうか、無言になることが多いのです。
番長が同意してくれたり、無言になった時に、番長に代わって自分で皆をまとめます。
この2番目のタイプは「裏番長」タイプです。
裏番長と書くとダーティーなイメージが思い浮かびますが、要は相手の意見をシッカリと聞き、異論反論があれば、躊躇せずに言うだけのことです。
番長タイプの子供が正しいことを言っているのであれば…
「それはいいね!」
とか
「ボク(私)も、それに賛成!」
と言えばよいのです。
高競争倍率の入試では「沈黙は金」ではありません。
オーディションと同じで審査員に「自分」をアピールする必要があります。
目に留まらなければ、10名の中からたった1名が選ばれる競争には勝てません。その他大勢の中に埋もれてしまうだけです。
番長の意見を切り返すのは難しいですよね。
1番難しいのは相手の意見をシッカリと理解することです。
これは小手先のテクニックではどうにもなりませんので、ある程度のトレーニングは必要です。
エスポワールでの対策は…
毎回、発表と質疑応答の時間がありますので、そこで鍛えています。
入室間もない頃は、各自が「家族旅行」をテーマにした発表をしてるのに、質疑応答で…
「好きな食べ物は何ですか?」
と発表と関係のない質問をするお子さんがいるのです。当を得ない質問は一人や二人どころではありません。殆どのお子さんが該当します。
しかし、質問をすることに慣れてくると、相手の言っていることをキチンと理解して、適切な質問を考えることができます。(家庭でも質疑応答ごっこはできます)
具体的な質問をしなければならないので、脳は相手の言うことを理解しようとしますし、質問をしているうちに相手へ言葉をぶつけることに対しての抵抗感もなくなります。
この時点で、相手がどのようなタイプでも、相手の主張を切り返して発言できるようになりますが、問題はその切り返しの内容(自分の意見)です。
そもそも幼児には確固たる自分の意見なんてありませんからね。
やはり、ロールプレイで慣れるしかないです。
エスポワールの授業では…
@グループのチーム名の決め方
@グループを2つに分ける方法
@自由制作で何を作るかの相談
@1つの物(役など)を複数人で奪い合いになった時の調整方法
@絵画を共同制作する時の役割分担の方法
方法論を直接的に教えるのではなく、摩擦の中で出てきた素晴らしいアイデアを皆に紹介する授業です。(出て来なければ先生が提案をします)
教室では主要な学校の「グループ考査」を学びますが、ご家庭で練習する場合は志望校の過去問にあるものだけで十分です。
大人しい性格でも、口下手でも構いません。性格は変えられないのです。
普段は寡黙でも、イザと言う時にだけ堂々と自分の意見を展開できれば、それでよいのです。
「ボク(私)も、それに賛成!」
押し黙ってウロウロしているお子さんが殆どなので、これが言えるだけも存在感を十分にアピールできます。
※過去記事の再掲載です(情報は古いです)
エスポワール らくらくさん