<117> 小学校受験では苦手ジャンルの難問は解けなくても構わない
前回<116>の続きを書きます。
悩み事の2つ目は「ひねりの入った問題が解けない」でした。1つの問題を解くために四苦八苦しているのに、その問題に「ひねり」が入ったら、解くのは難しいです。
難関女子校では、このような問題が含まれていますよね。それを克服させるために、お母さんも必死です。何故なら、その手の問題が解けなければ、合格はあり得ないと信じているからです。そのため、同じジャンルの類似問題を買い求めて特訓をさせていることでしょう。
しかし、現実は違うのです。私も難関女子校に合格した大勢の子供を見ていますが、ひねりの入った問題をサラサラと解けるお子さんはいません。それぞれのお子さんが、あのジャンルのひねりは得意だけれど、このジャンルのひねりは苦手だと、得手不得手があります。
そもそも、ひねりまくった問題は、その問題が解けるお子さんを集めるためではなく、難関校はレベルが高いお子さんが受験するので、満点を続出させないために、敢えて難解な問題を出しているのです。
全員に高得点をさせないための手段です。
それ故に、あらゆるジャンルの難問をマスターすることは不可能です。故意に年長児のキャパを越えた問題を出しているので、、個々の能力の発育具合によっては、取り組むだけ無駄な場合が多いのです。
満点でなければ合格できないこともないので、超難問は潔く諦めましょうね。苦手ジャンルの難問が出なくて、満点だったラッキーなお子さんもいることでしょう。
しかし、公開模試で毎回満点を連発するお子さんは、誰一人も存在しないのです。入試でも、大多数が満点でなくても合格をしています。(もちろん、ペーパーの点数だけでは合否は決まりません)
最も馬鹿げたことは、苦手な難問を克服させるために、その問題に特化した学習をすることです。キャパの問題もあるので、子供の立場から見たら、これ以上の苦痛はないです。ピーマンが苦手な子供に、毎日ピーマンだけを食べさせたら、心が屈折するのと同じです。
特別なことはせずに、いつものように、得意な問題も不得意な問題も交ざった問題集を淡々と解かせるに限ります。全体の学習の中で、少しずつ苦手なものが減っていけば、それで良いのです。楽々と解ける楽しい問題がなければ、勉強をしても楽しくはないでしょう。
親は陰で苦労をしても、子供には勉強は「楽しいもの」だと思い込ませなくてはいけませんよね。子供にとっての、勉強のゴールは今ではないのです。もっと、何十年も先なのです。「今」が楽しく思えないのなら、この先も勉強は楽しくはありません。
幼児の心に、勉強嫌いを植え付けてしまったとしたら、その犯人は、他の誰でもなく、親のあなたかも。
まだまだ続く人生なので、明るく楽しく勉強をしましょうね。我が子が苦手とする問題は「出るな!」と強く念じましょう。それが愛です。
※過去記事の再掲載です
エスポワール らくらくさん