<119> 小学校受験の全てが親の受験

今からほんの6年前に、両親に祝福されながらこの世に生まれて、2~3歳頃のメチャクチャ可愛い盛りには、あらゆる失敗やワガママも笑って許され、溺愛されたかと思います。

年中さんになると段々と生意気になり、年長さんになれば、親の言うことを聞かないと、叱られてばかりですよね(笑)

会社の中にいると6年という歳月は、殆ど何も変化をしないうちに過ぎ去っていきます。家庭の中にいても同じです。目に見えるモノは変化をせずに、時間だけが過ぎ去ります。

しかし、子供がいると目に見える変化は激しいです。たった6年前に生まれた赤ん坊が、今では身体も大きくなり、生意気なことも言います。親の知らない知識すら持ち合わせているのです。成長を記録したビデオを見ると驚ろかされますよね。

そして、生まれてから、たったの6年後に受験です。本能的には親に甘え、遊び盛りなのに、5歳から「お勉強」です。幼児には全く役に立たない、どーでもよい知識をたくさん詰め込まされます。

シーソーで誰が一番重たいのかを調べたり、鏡に映った正しい姿などは、6歳児として生きていく上では必要としない知識です。幼児は自ら興味を持ったことについて、とことんのめり込めばよいのであって、興味すらないものを「お勉強」という形で強制的に教わる必要はないのです。

しかし、小学校受験では高度な知識が要求されます。生まれながらに(偶然に)早熟なお子さんなら簡単に理解することができるでしょう。

ところが、生まれながらに(たまたま)早熟でなかったお子さんは、早熟のお子さんに追いつくように、能力の限界を超えながらも勉強をしなければ追いつきません。

早熟には容易(たやす)く、そうではないお子さんほど過酷な受験レースなのです。フェアではないですよね。

また、毎年目の当たりにしていることですが、コネがあったり、ご家族に輝かしいステータスがあると、笑っちゃうくらいに簡単に合格できる世界でもあります。

さて、この1年間に、勉強が出来なかったことで子供を叱ったことがありますか?

 ・・・ ありますよね

小学校受験は、子供が望んだことですか?

 ・・・ 本人の意志に関係なく、親が勝手に決めたことですよね

この1年間は、小さなキャパしかないのに良く頑張りました。親に言われるまま、受験にしか役に立たない知識もたくさん覚えました。くだらない文章のお話をたくさん記憶して解きました。本当に一生懸命に頑張りました。

受験まで残り僅かですが、子供に掛ける言葉はこれしかありません。

「今まで付き合ってくれて、本当にありがとう」

小学校受験は子供の受験ではありません。親の受験なんです。子供はそれにお付き合いをしているだけで、結果責任は親が負うものです。

子供に責任なんて、これっぽっちもありません。

  

※過去記事の再掲載です

エスポワール らくらくさん