<075> 我が家の娘はモジモジちゃんなので小学校受験は向かないな
我が家にはメルマガに何度か登場している早生まれの年中の娘がいます。
男勝りで、小1の兄とケンカをしても一歩も引きません。
やられたら徹底的に反撃をします。
公園へ連れて行けば、あらゆる遊具で遊び回り、年少の頃からジャングルジムのてっぺんに登るのが大好きでした。
通っているスポーツクラブでは、男子ばかりのチームの中で、紅一点で頑張っています。
ここまで読むと、世間によくいる活発な女の子だと思いますよね。
ところが、活発な行動とは裏腹に内弁慶なのです。
幼稚園へ通って1年以上経ちますが、園門の傍にいる先生に朝のご挨拶をしないのです。
当番の先生に「おはよう」と言われても…
恥ずかしがって、うつむいたまま通り過ぎようとします。
実は、娘が入園する直前までは、既に通っている兄の送り迎えに付いて来ていたのですが、その時は大きな声で…
「おはようございます~」
「さようなら~」
とご挨拶をしました。
ところが、入園して暫くしてから言わなくなりましたね。
クラス担任のお話ですと、行動も遅くて、モジモジちゃんのようです。
家の中での様子とは180度の違いです。
私も幼児教育の世界には長くいるので、娘がこのようになった原因は何となく解ります。
年少で入園した時点で、娘の言語能力は月齢差(早生まれ且つマイナス3~6ヶ月程度)もあり、お友達や先生の話す内容を理解できなかったと思います。
●先生の指示が分からないので、世話好きのお友達に身辺の面倒を見てもらうことが多かったはずです
→ 従属的な立ち位置になります
●理路整然と話すお友達に比べて、思ったことが言葉にならないもどかしさを感じていたはずです
→ 話すことが億劫(おっくう)になります
以上の2点は、自分で自分を呪縛してしまうのです。
だんだんと言語能力が発達して、お友達に追いついたとしても、周りがそのように見ている限り、そのまま従属的な立ち位置に収まっていようとします。
解らない振りや、モジモジちゃんを装っていれば、楽だと考えるからです。
変わる切っ掛けが掴めなければ、ずーっとそのままでいます。
「あの子は小学校3年生の時から急に活発になった」とか、その手の話がよくありますよね。
それは、その子が急に変身したのではありません。
何らかの切っ掛けで、自分で自分に掛けた呪縛から解放できただけです。
エスポワールにも毎年大勢のモジモジちゃんが入って来ますが、その殆どが自分を呪縛した子供たちです。
エスポワールへ来て、変身したと感動する親御さんもいますが、変えたのではなく、背中を押して殻を破らせただけなのです。
エスポワールは普段の環境とは違うので、自分を装う必要もありませんし、自分のことを知らない仲間ばかりなので変われたのでしょう。
たとえ自分を装ったとしても、我々は決してその態度を認めることはないので、ほんのちょっとした言葉掛け…
「できるから、やってごらん」
「言えるはずだよ」
と言いながら、呪縛から解放しています。
ここから、大切なことを書きますが…
幼児は、自分のしていることをハッキリと理解していますよ。
自分を装っていることも知っています。
自分の言動が園の先生の期待を裏切っていることも知っています。
自分の言動が親を悲しませていることも知っているのです。
「お母さんを悲しませないでね」
と親に責められても、どうすることもできないので、そうしているだけなんですね。
親は恥ずかしいだけで、本当に辛い思いをしているのは「子供」なのです。
勉強だって…
出来なくて辛いのは、親ではなく子供なんですよ。
絵画だって…
出来なくて辛いのは子供です。
運動だって…
辛いのは子供です。
ここで、我が家の娘に話に戻します。
先日のことですが、園での保護者参観があり、「家から持ってきたモノ」を保護者の前で一人ずつ発表するコーナーがありました。
お友達の一人ずつが…
「私は○○を持ってきました!」
と発表が続いていて、娘の番になりました。
娘は、そのモノを手にしたまま…
「・・・・・・」
クラスの中で発言しなかったのは娘だけだったようで、さすがにうちの奥さんは、園の帰りに小言を並べてしまったようです。
母親に言われて辛かっただろうね。
私は子供たちを呪縛から解放させるためにエスポワールを作っておきながら、自分の娘の辛さを取り除いてあげることができていません。
縁故でエスポワールへ入室させるわけにもいかないので、私ができる範囲の中で…
「大丈夫だよ。できるさ!」
って、娘の背中を押してます。
今でも園門の先生だけはご挨拶ができませんが、マンションの管理人さんなど、園とは関係のない人たちとは大きな声でご挨拶やお話をすることができるようになりました。
実はうちの奥さんは、娘に小言を並べた日から態度を一変させたのです。
その晩のことですが、娘を寝かしつけたあと自分の枕元に手紙が置いてあるのに気付いたようです。
その手紙には…
『ママ ごめんなさい』
とだけ書いてありました。
※過去記事の再掲載です
エスポワール らくらくさん