<135> 年長の7割のお子さんがお隣の答案を覗きます
夏期講習の中級講座と上級講座が終わりました。
中級講座では「カンニングチェック」というコーナーがありました。
どのくらいのお子さんがお隣さんのペーパーを覗くと思いますか。
誰もいないと思いますか。
それとも20名あたりに1名だと思いますか。
年長さんは入試直前ですので、カンニングをするお子さんなど、いるはずがないと思いますよね。
ところが、7割のお子さんがお隣さんを覗きました。
エスポワールはペーパー教室ではないので、普段の授業ではペーパーを解くことはありません。
エスポワールに通われているお子さんは、スイングや伸芽会、ジャックなどの大手のペーパー教室に通っています。
それなのに、7割が覗き見をするなんて、にわかには信じられないですよね。
なぜ、大手のペーパー教室に通う7割のお子さんがカンニングをするのか、その理由を説明します。
実は通常のペーパー教室ではカンニングをするような暇がないからです。
ペーパー教室では以下のような進め方になります。
「最初にパンダのマークがある問題を見てください。この中に一つだけ季節が違うものがあります。青色のクーピーを使って、仲間外れだと思うものを選んで、絵の下の四角の中にバツを付けてください」
「始め!」
「止め!」
「次にウサギのマークがある問題を見てください・・・」
このような進め方が多いですよね。考える時間が短いので、覗き見をする余裕などはないです。
同じ教室で学ぶ子どもたちですので、初見の問題も少なく、パッパッパと解いていきます。考える時間を設けなくても解けるのです。
ところが、実際の入試は違います。「止め」までの時間は長いのです。いろいろな幼児教室のお子さんが来ますし、家庭学習のお子さんもいます。そのため、幼児教室のテストや公開模試に比べて長く時間をとっています。
大手のお教室に通うお子さんは、制限時間の半分以下の時間で答えを書き終えるはずです。
「簡単!簡単!」
「あれ?まだ終わらないの?」
「止め」の合図がないので、段々と落ち着きがなくなってきます。
「(右の)お隣は(チラチラ)まだ書きおわっていないのね」
「(左の)お隣は(チラチラ)えーまだ考えているみたい」
中級講座では実際の入試よりも長めに時間をとりましたので、覗き見のお子さんが続出です。
夏期講習の講評VTRを見た保護者は、我が子の挙動に驚いたと思います。
覗き見は、ほんのチラッチラを含めて7割ですが、3秒ほどジーと覗くお子さんも少なくはないです。
目線だけではなくて、首をしっかりと横に向けて覗いているお子さんもいます。
横を見るどころか、上半身を90度曲げて、真後ろをジーッと眺めていたお子さんも数名いました。
答えを書き終えてから覗くお子さんもいれば、答えが分からなくて、困り果てて覗くお子さんも少数ですが存在します。
小学校の先生も、相手は幼い幼児ですので、書き終えたお子さんがお隣の答えを書き写すことなく、ほんのチラっと見た程度では、お咎めはないはずです。
チラチラチラと見ていたり、ジーッと見ていた場合は、アウトかセーフかは試験官に依ります。
完全にアウトのケースは、ペンを持って答えを書きながら覗くことです。自分で考えて答えを書いてはいるけれど、単に気になって覗いていたのか、それとも、覗きながらお隣さんの答えを写しているのか、試験官にはその区別ができなからです。
眺めた後に「自分の答えと違うなぁ」とペンを持って見直しを始めたら完全にアウトですね。チラチラと眺めても手はずっとお膝のままならセーフかもしれません。
意地悪な試験に当たると、無意識にチラッと見ただけなのに「カンニングしてた」とメモされるかもしれません。試験官のその日の気分や感情次第です。
もちろん、子どもたちは覗き見がいけないことは百も承知です。
「お友達の答えが間違えていることがあるので、見てはいけない」と教わっているからです。
分かってはいても、退屈には勝てずに、中級参加者の3割は失格になります。大手のお教室に通っていてもです。
中級講座に参加したお子さんは、ペーパーの「試験官」を経験したときに、お友達の覗き見を目にしたので、今後はどんなに退屈でも覗くことはないでしょう。
入試のあらゆる場面の「試験官役」を経験させて、オトナの気持ちが分かってくる講座はエスポワールだけかなと思っています。試されるだけではなく、試す側に回ると景色も大きく変わるので、精神年齢もグーンと高くなり、オトナになるのです。
年長の本科生は来週末の原宿スクーリングでカンニングテストを行う予定です。
※過去記事の再掲載です
エスポワール らくらくさん