<130> 小学校受験の絵画テストでは脳の発育具合を見ています(その1)

今日は絵画のお話です。小学生にも通用します。

幼稚園にも小学校にも絵がとても上手なお子さんがいます。

皆さんのお子さんは絵が得意ですか。

それとも幼稚な絵ですか。

小学校受験では絵を描かせる学校があります。

慶應幼稚舎はそうですよね。慶應横浜初等部も早稲田実業学校初等部も、年度によっては絵を描かせます。

2歳児や3歳児の絵は、まん丸の顔を描いて、その中にグリグリと目を丸く塗ります。

そして、横棒の口を描いて終わりです。

『スマイルマーク星人』です。

4歳児になると、その絵にボサボサの髪の毛が生えます。鼻と耳が付きます。

縦長の楕円形の胴体ができて棒でできた手足が出てきます。

『手足が棒星人』です。

5歳児になると、髪型ができます。瞳に星を描く女の子もいます。

やがて、上半身と下半身に分かれます。

手足が棒ではなくなりますが、肘もなく手を小さく描くことができず巨大化します。

『手がグローブ星人』です。

6歳児になると、肘が曲がるようになります。

服を着てズボン、スカートを穿き、靴も履きます。

子供は幼稚園や家庭でお絵かきをしているうちに、このような進化を遂げます。

絵画の時間を多く割いている幼稚園のお子さんは、全体のレベルが高いです。

保育園には2種類あって、幼稚園レベルのカリキュラムを組んでいるところと自由に遊ばせてばかりいるところがあります。

自由に遊ばせてばかりいる保育園児の絵のレベルは全体的に低いです。

女の子は家で絵を描くお子さんが多いので少しはマシですが、男の子は家で描かないお子さんが殆どですので、年長さんになっても3歳児レベルの絵を描くことがあります。

受験先の小学校側は、そこのあたりは一切考慮しないので・・・

『精神年齢』=『絵画のレベル』

このように判断します。

絵が幼稚だと精神年齢が低いと見なすのです。

実際は違いますよ。

賢いのに絵を描く機会がないだけで幼稚な絵を描くお子さんは多いです。

名門の小学校ほど非常に多くの受験生が来るので、取りあえず絵が幼稚なお子さんをバッサリ切ってしまえば、精神年齢の低いお子さんをふるいに掛けられると判断します。

その中に優秀なお子さんがいても、いちいち考慮している暇はありません。

絵がある程度描けるお子さんの中から、更に別の試験(口頭試問=お尋ね)で優秀なお子さんを見つけ出せばよいと考えるからです。

では、絵が上達するために名門「東京芸術大学」出身の先生に習えば良いのでしょうか。

答えは、ノーです。

東京大学の教授にいきなり幼稚園や保育園の先生をやらせても、うまくできないのと同じです。

大人への指導と幼児への指導は大きく異なります。

最初に紹介した年齢別による絵の進化を踏まえた指導が必要なのに、完成形(大人の絵)しか教えられない東京芸大や美大出身の先生が多いです。

完成形を習って上達するのは、ある程度の技量のあるお子さんに限ります。

絵画教室に通っても、絵画レベルが2歳児レベル、1歳児レベル、0歳児レベルのお子さんは大きくは伸びません。苦痛を感じているお子さんも少なくはないはずです。

では、どうしたら幼児の絵が上手になるのか?

(その2に続く)

  

※過去記事の再掲載です

エスポワール らくらくさん