<131> 小学校受験の絵画テストでは脳の発育具合を見ています(その2)

前回のおさらいをします。

1.入試で絵を描かせる学校がある

2.それは精神年齢を調べるため

3.年少さんはスマイルマークのような絵を描く(スマイルマーク星人)

4.年中さんはスマイルにボサボサの毛が生えて鼻耳が付き、楕円の胴体に棒状の腕や足が生える(手足が棒星人)

5.年長さんは髪型ができ、上半身と下半身を描き分け、腕はあるが指はでかい(手がグローブ星人)

6.六歳を過ぎる頃になると肘や膝を曲げ、服を着てズボンやスカートを穿きます。

大まかですが、これが一般的な進化の過程です。

精神年齢と書きましたが、年長になってスマイルマーク星人を描いているお子さんは知能が年少さんレベルとは限りません。

幼稚園や保育園の方針で描く機会が少なければ上達はしないので、知能が劣っているとは限らないのです。

ところが、入試では個別の事情を考慮せずにフィルターを掛けます。

また、巷にある東京芸大や美大出身者が行う絵画教室がありますが、幼児が上達するか疑問だとも書きました。

<レッスン1>

そもそもですが、幼児は見たままのマルを書くことができません。

コピー用紙等の紙に茶筒(日本茶の缶)を当てて、なぞって円を描いてください。3つは描けますよね。

水性ペンやクーピーで色分けすると綺麗です。

茶筒の代わりにコースターを使っても3つくらい描けるでしょう。

それをお子さんの前に置いて、「よーく見て、同じ大きさで描いてね」「同じ大きさだよ」と言いながら、もう一枚の紙にフリーハンドで描かせてみてください。

驚くほどちっちゃな円を描きます。50%に縮小したような円です。

円ではなく、ゴツゴツしたジャガイモですね。三角に見えるかも。

目で見た情報が脳を経由して指先に伝わるまでに変わってしまうのです。

何度か円を写しているうちに大きさの感覚がつかめてくるようになります。

描いた円は捨てるのではなく、親子でその絵を元にして自由に絵を描かせましょう。

テントウ虫にしたり、ロールケーキにしたり、渦巻きにしたり。

親が一方的に決めるのではなく一緒に考えましょう。(誘導はあり)

テントウ虫ならネットの写真やイラストを見せながら(親子で)完成させると良いですね。

空想画はなるべく避けましょう。(頑固な場合は可)

円ができたら、大きな三角シリーズ、大きな四角シリーズ、1つの紙に円・三角・四角など。

誉めて、誉めて、誉めながら(これがコツ)、「大きさの感覚」と「正確な図形の模写力」を磨いてください。描き加えた自由な絵は雑でも構いません。

小さな円の練習は不要です。最低でもコーラの缶底の大きさです。

なぜなら、レッスンが進むとその大きさ以上で顔を描いてもらうからです。

レッスン2へ続く。

  

※過去記事の再掲載です

エスポワール らくらくさん